ナラティブ絵本
これは娘が中学生の時に作った絵本です。
娘の絵本に気づいたのは、引越しの荷作りをしている時。
表紙も何もなく、ただ白いだけの本でした。
ふと、めくってみたら物語が綴られており、読み入りました。
娘の描いた絵本は、夢のある可愛いお話でした。
しかし、お話は途中で終わっていました。色もついていない…
その時、「絶対、いつか完成させよう!」と心に決めました。
絵本には、わら半紙の原稿用紙が挟まれていました。
「何かな?」と見てみると、物語の「下書き」らしき文章が綴られていましたが、忙しく引越しの荷造りをしていたため、中身をよく確認しませんでした。
引越し後、何かと気忙しく毎日が過ぎてゆきました。
娘の結婚、父の他界、自身の還暦
一つ一つ丁寧に物事を進めていきました。
落ち着いた頃、ナラティブひろばさんと巡り合い、夢の「絵本制作」が進みはじめました。
直接、お会いして、絵本と原稿を預け、ミーティングを繰り返していた時、「物語は、途中で終わっていませんでしたよ」とコーディネーターの小笠原さんから連絡をもらいました。
原稿を最後まで確認していなかったのですが、結末があったそうです。
その後、色がない絵本に、「虹の向こうに」というタイトルをつけ、イラストの線画が完成し、色が入る…そんな絵本を作成する過程は、絵本に命が吹き込まれていくようでした。
ずっと絵本を完成させたいと想っていましたが、想いだけではどうにもなりませんでした。
今回、こうして絵本の完成に辿り着いたのは、「誰かに頼る」ということをしたからだと感じています。私は小笠原さん、ナラティブ絵本に出逢えて幸せです。
完成した絵本を、家族に贈りました。
娘も中学生の頃に書いた物語が、こんな風に形になるとは思ってなかったと。
あたたかみのあるイラストを見ながら、ページをめくる度に段々と当時の記憶が蘇ってきたそうです。こんな話を作っていたんだなあと、とても懐かしい気持ちにもなったそうです。
完成するまでに長い年月がかかってしまいましたが、実際に形にしてくれてとても嬉しいです!とのことです。
絵本の完成を楽しみにしてくれていた娘のお姑さんも、親戚の子どもたちにプレゼントしたいと伝えてくれました。
裏表紙にある絵は、娘がわら半紙に描いた主人公の「くうとつばさちゃん」の原画です。
日焼けしたわら半紙は、私達家族の時の流れを見守ってくれているようです。
文:emi 編集:hitopi 絵:emi / kiki
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CFGQV9VF
未完だった娘さんの手作り絵本を母のhitopiさんが長い月日を経て完成させた一冊です。
「本当の自由とは?」中学生の女の子が書いたからこそ、思春期の子にも届くメッセージがあると思います。
また、絵本は、「物語」、「エッセイ」、「あとがき」を通して読み終えると、娘さん、作者のhitopiさん、hitopiさんのお父さん、親子三代の生き方が伝わります。
家族で受け継がれている大事な「思い」をカタチにする、そんなお手伝いができたように思います。
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